通信制高校の検索サイト「通信制高校ナビ」を運営する株式会社クリスク(東京都品川区・山下典久代表取締役社長)ほこのほど、全国の15歳以上、69歳以下の300人を対象に通信制高校のイメージ調査を行いました。
今回はこの調査結果についてまとめます。
目次
アンケート調査の概要
文部科学省が発表する「学校基本調査」によると、2022年の通信制高校に通う生徒の割合は高校生全体の約7.5%で、約13人に1人が通信制高校を選ぶ時代となっています。
2010年と2022年を比較しても、この12年間で生徒数は127%、学校数も131%に増加しました。さらには、新型コロナウイルス禍において、テレワークやオンライン授業など、社会全体でデジタル化が進んだことで、学校に通って学ぶという従来のスタイルでなくても学びを継続できることが分かってきました。
そうした背景もあり、クリスクは2021年調査の続編となる現在の通信制高校に対するイメージについて、全国の15歳以上、69歳以下の300人(10代~60代まで各年代50人ずつ)を対象にアンケートを実施しました。
調査概要は以下の通りです。
- 調査対象:全国の15歳以上、69歳以下の300人(10代~60代まで各年代50人ずつ)
- 調査期間:2022年12月19日
- 調査方法:インターネットでのアンケート調査
20代以下の35%が通信制高校に通っている人が身近にいると回答
Q1「あなた自身やあなたの周りに通信制高校に通っている・通っていた人はいますか?」という質問では、全体の回答では「いる」(18.33%)、「いない」(81.67%)という結果でしたが、20代以下では「いる」が平均35%となりました。
30代以上の「いる」が平均10%なのに比べて、若年層では高い割合で身近に通信制高校へ通う・通っていた生徒がいることがわかります。
通信制高校に通っている・通っていた人が「いる」の年代別割合
前述の通信制高校の生徒数が増加傾向にある中で生徒世代にあたる10代20代では「いる」が多く、これらの保護者世代にあたる40代でも少し多い傾向が見られます。
20代以下はポジティブな印象が多い傾向を維持、50代以上もイメージが好転
Q2の通信制高校のイメージについて尋ねる質問では、「とても良い」「良い」が45%、「あまり良くない」「良くない」が55%と、ほぼ半々となっています。
年代別で「とても良い」「良い」の割合を見てみると、身近に通信制高校へ通う・通っていた生徒がいる20代以下の割合は前回調査からやや減少はしているものの大きく変わっておらず、50代以上の割合が大きく伸びていました。年代での変化は見られましたが、全体としては2021年の調査とほぼ変わっていないことがわかります。
やりたいことに時間を使う生徒のイメージが増加
Q3「通信制高校にはどんな生徒がいるイメージですか?(複数回答可)」という質問では、「仕事やアルバイトをしている」と回答した人が最も多く56%でしたが、2021年調査の61.33%よりは減少しました。
「仕事やアルバイトをしている」の年代別割合(前回比較)は次の通りです。
一方、2021年の調査から最も増加した回答は、「やりたいことに時間を使いたい人」(28.67%)でした。
「やりたいことに時間を使いたい人」の年代別割合(前回比較)は次の通りです。
まとめ
2021年の調査から引き続き、10代・20代では身近に通信制高校を利用する生徒がいる割合が多く、他世代に比べても良いイメージを維持していることがわかります。
また、今回の調査で50代以上の年齢層において、イメージの好転が見られました。
現在、通信制高校では、アバター(分身)で登校可能なメタバースの学校が誕生したり、生徒一人一人の興味を尊重した学びや、多彩な教育を提供する学校が続々と増えています。そうしたこともあり、通信制高校に通う生徒数も今後さらに伸びていくことが予想されます。
生徒世代だけでなく、保護者世代も「高校=全日制高校」というイメージにとらわれすぎず、将来の可能性を広げるきっかけとして、高校進学の選択肢の一つに通信制高校を検討することも大切かもしれません。
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