学習障害(LD)のお子さんの支援と合理的配慮について考える

こんにちは。フリースクールきのこの原田です。
6月16日(日)、名古屋の今池ガスビルで行われたセミナー「気づけば伸ばせる学習障害(LD)~これだけは育ててあげたい生きるチカラ大人の責務~」に参加してまいりました。

(以下、SNSで発信OKと仰っておりましたのでセミナー内容も含みます)

講師の菊田様(一般社団法人読み書き配慮代表理事)はご自身のお子様と歩んだご経験から会社を設立され、現在東京を中心に全国各地でLDのお子様の支援をされています。
菊田様のお子様は、学ぶ意欲はありながら書くことがとても困難だったそうです。知識は人並み以上にある、しかし書くことが困難。当時ギガスクールも進んでいない時代のなか、従来の形式の授業を受けることは本人にとってとても大変で、授業中のタブレット使用を学校に志願したそうです。

高校入試の際も、すべて手書き・漢字で書かなければならない入試は受験が難しいため、パソコンで受験させてもらえないかと1校1校親子で回ったそうです。

このセミナーで最もメインにお話されていたことは、「合理的配慮」についてでした。
一度は皆さん聞いたことがあるかもしれない合理的配慮。私も発達障害児支援の勉強をしているときに何回も聞きました。
よく例えで「眼鏡」を用いられることが多いのですが、「合理的配慮は目が悪い人が眼鏡をかけることと同じ」と言われます。

【合理的配慮とは…】
障害者から何らかの助けを求める意思の表明があった場合、過度な負担になり過ぎない範囲で、社会的障壁を取り除くために必要な便宜のことである。

例えば…
①飲食店にて、車椅子の方から、車椅子のままテーブルについて食事をしたいと申し出があった
→テーブル備え付けの椅子を撤去し、車椅子が入れるスペースを確保する
②セミナー中、読み書き困難なため書き写すことができないと申し出があった
→スライドの写真撮影をOKにする
(内閣府資料より)

障害のある人と事業者等との間の「建設的対話」を通じて相互理解を深め共に対応案を検討していくこと。「前例がない」「特別扱いできません」「もし何かあったら大変だから」「○○障害の人は一律お断りです」という考え方は避け一人ひとりにあったできる範囲の対応をすること。これらがとても大事な考え方になってきます。

さてセミナー後私はきのこに戻り、きのこでの合理的配慮について改めて考えてみました。
合理的配慮の定義には「障害者からの」とありますが、そうでなくてもみんな大事な一人の人間、大事なお子さんたちを保護者様からお預かりしているわけです。きのこでは一人ひとりにあった合理的配慮を。と日々考えてきたつもりでした。そう「つもり」でしたね。

5月にきのこで「勉強月間」となるものを設けてみたんですね。
ポイント制にして、1日1回学習に取り組んだらポイントがたまり、10ポイントごとに景品がもらえる!という今思えば浅はかなルールをつくり、キッズたちの学習習慣が少しでも身についたらいいなあという気持ちで始めてしまいました。
最初はみんな「今月はそういうものか」という感じで取り組んでくれました。(絶対やらない!という子もいました。それならそれでよしでした)
やる教科も単元もご家庭や本人の意向を聞いて決め、やる気が本当に起きないときはやらないし、キッズたちのペースに合わせてやりました。
でもだんだん雲行きが怪しくなり、学習に取り組み始めた4人中2人は6月後半からやらなくなってしまいました…。

きのこを設立時に「学習を強制しない」と掲げていて、今でももちろんそれは念頭にあったのにもかかわらずどうして私は学習を強要しているんだろう…とあるとき感じました。

学校は必ず勉強をしないといけない場所です。勉強が嫌で学校に行きたくない、という子ももちろんいます。
そんな子に、勉強を強要させてた。しかも適切な配慮もせずに。
あーーーーー自分やばいやつだな、と猛反省しました。

勉強が嫌い→学校に行かない→きのこに来る→勉強しなくてOK
ではなく、
勉強が嫌い→学校に行かない→きのこに来る→好きなこと・目標を見つける→それに向けた計画(学習)を提案する
これが本来私が目指すフリースクールです。
”好きなこと・目標を見つける”この期間が非常に長い。そんなの待てない。いつ来るの?ゲームばかりしていて本当に良いの?
支援者として待つべき立場にいる私が、誤った判断をしてしまいました。

話を戻すと、
もし勉強を子どもたちにさせたいのであれば、どういう方法・内容であれば取り組めるのかをもっと考えるべきで、私はまだまだ全然勉強不足でした。
まさに学習に関しての合理的配慮はゼロでしたね。。

でもこれだけは言いたいのが、(学習面を除いては)預かりの中で個々に合わせた声掛けを本当に大事にしています。
でも、まだまだ若輩者だな、もっと勉強しないといけないなと今回のセミナーに参加させていただいて気づいた学びでした。

これからも頑張ります!

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一般社団法人きのこ

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