2022年5月に愛知県春日井市にオープンしたカフェ「ワンぽてぃと」。ここでは最短で「15分」勤務しただけで賃金を支払うという珍しい取り組みを行っています。
今回は、「ワンぽてぃと」の取り組みについて紹介していきます。
きっかけは自身の娘の不登校
同店は、働きたくても働けない若者が気軽に働ける飲食店を作ろうと、代表の小栗加奈さんがクラウドファンディングサービス「GoodMorning」を活用して立ち上げたお店です。
お店のコンセプトは、「引きこもりや、不登校、社会に出ることが難しくなった若者をスタッフとします!『超フレックスタイム制』」。
来てもいい
来なくてもいい
来てみて、働きたくなったら、エプロンをつける
賃金も15分単位で支給
こうした、ちょっと変わった働き方を取り入れたのは、中学3年生の三女の不登校がきっかけだったそうです。
小学5年生の頃から学校を休むようになったという娘の不登校をきっかけに、「学校に行かなかったからこそできる経験、体験をさせてあげたい」と考え始めました。
また、小栗さんが密かに温めていた「自分で飲食店をやる夢」と「何か世の中に役に立つことがしたい」という思い。これらが合わさり、「社会に出るのが難しい若者が、社会に出る前の練習の場をつくろう」と行動に移し、今回のオープンに至りました。
出勤するタイミングは自由、勤務時間も給料も15分単位
同店は勤務表がありません。そのため、好きな時に来て、最短15分から働ける上に、勤務時間も15分単位で増やせます。賃金は、愛知県の最低賃金(時給955円)に基づいて、15分につき239円。
また、「中学校や高校に行きづらい」「不登校の子どもたちの居場所にもできたら」という思いから、不登校の中学生4人を「職場体験」として受け入れています。同じく15分単位で体験することでき、時間に応じて図書券と店の割引券を渡しています。
この、限りなく働くための条件のハードルを下げ、社会に出る練習となる場を目指している同店。この「15分から」という時間の短さが心理的なハードルを下げる効果が期待できるとされており、小栗さんも「こんな雇い方もあるんだと、世の中の多くのお店が同じシステムを取り入れて貰えたら」と考えています。
じゃがいもやさつまいもの料理とスイーツを提供
「お芋好きは多いのに、なぜお芋だけのお店はないのだろう?」
こうした思いから、同店ではじゃがいもやさつまいもの料理とスイーツのメニューが中心となっています。
特に、丸ごとのジャガイモにホワイトソースとチーズをのせて焼き上げたトルコの家庭料理「クンピル」やさつまいものティラミスなどが人気です。
そのほか、店内には看板犬である、介助犬のキャリアチェンジ犬・ラブラドールの「オリバー(オーちゃん!)」も人気で、地域の人の憩いの場にもなっています。
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